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公安スパイに関わる裁判で、警察が敗訴した

黒文字は、判決文をそのまま転載
赤文字は、私が、省略・追加(補足)した部分
です。

先に事件の全体像を把握する

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平成七年(ネ)第七八〇号、第八七五号 国家賠償請求控訴事件
(原審・福岡地方裁判所小倉支部昭和六〇年(ワ)第四〇三号)

判    決

福岡県XX郡XX町大字XXXXXX番地のX

一審原告(平成七年(ネ)第七八〇号事件被控訴人・同第八七五号事件控訴人)

○ ○ ○ ○

右訴訟代理人弁護士 ○ ○ ○ ○

同             ○ ○ ○ ○

(総勢17名の弁護士が連なる)  

福岡市博多区東公園七番七号

一審被告(平成七年(ネ)第七八〇号事件控訴人・同第八七五号事件被控訴人)

福  岡  県

右代表者知事     麻  生   渡

右訴訟代理人弁護士 ○ ○ ○ ○

(4名の弁護士・2名の弁護士指定代理人)

主    文

一 本件各控訴をいずれも棄却する

二 平成七年(ネ)第七八〇号事件の控訴費用は一審被告の、同第八七五号事件の控訴費用は一審原告の、各負担とする。

事実及び理由

第一 控訴の趣旨

一 一審原告(平成七年(ネ)第八七五号)

1 原判決中一審原告敗訴部分を取り消す。

2 一審被告は、一審原告に対し、金二九〇万円及びこれに対する昭和五九年一一月八日から支払済みまで年五分の割合による金員を支払え。

3 訴訟費用は第一、二審とも一審被告の負担とする。

4 仮執行宣言

二 一審被告(平成七年(ネ)第七八〇号)

1 原判決中一審被告敗訴部分を取り消す。

2 一審原告の請求を棄却する。

3 訴訟費用は第一、二審とも一審原告の負担とする。

(一審判決を不服として、被告(公安・福岡県)が控訴し、
それを受けて原告も控訴している、通常のパターン)


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第二 事案の概要

一 事案の要旨

本件は、

1 一審原告において、(ここからは一審原告の主張)

福岡県警察折尾警察署の三人の警察官が、日本共産党員で日本民主青年同盟(以下「民青同盟」ともいう。)八幡〇〇地区委員会副委員長であった一審原告に対し、昭和五九年一一月七日午後一一時すぎごろ、一時停止違反等の取調べと称して派出所の二階の一室に同行して退出できないようにした上、翌一一月八日午前一時三〇分ごろまでの間に、一審原告に対して暴行、脅迫を加え、現金供与等の利益誘導を行うことによって、一審原告が所属する日本共産党や民青同盟に関する情報を継続して提供することを要求した行為が、交通違反の取調べに名を借りて一審原告を監禁し、一審原告に変節を強要して、一審原告を警察に対する情報提供者にしようとしたものであって、地方公共団体である一審被告の公権力の行使に当たる公務員が、警備情報の収集という職務を行うについて、故意に、一審原告の人間としての尊厳、人格権、名誉権を侵害した不法行為である
と主張して、国家賠償法一条一項に基づき、一審被告に対し、慰謝料三〇〇万円と弁護士費用三〇万円及びこれらに対する右不法行為の日から支払済みまでの遅延損害金の支払を求めたのに対し、

2 一審被告において、(ここからは一審被告(警察)の主張)

三人の警察官が、一審原告を監禁して、暴行、脅迫、利益誘導等により一審原告に対して情報提供者となることを強要したとの一審原告の主張事実を否認し、右警察官らは、右当日は、全国一斉指名手配被疑者捜査強化月間に当たって、特に極左暴力集団関係の指名手配被疑者の検挙を目指して夜間捜査に従事していたところ、一審原告が軽トラックを運転して一時停止違反を連続して行うなど不審な行動をとったことから、極左暴力集団の活動家であるとの疑いを抱き、道路交通法違反で検挙して右の疑いを解明しようと考え、一審原告を停止させた上、派出所に任意同行を求めて、道路交通法違反事実の取調べと極左容疑解明のための職務質問を行ったものであって、適正妥当な職務行為である、と主張して、一審原告の請求を争っている

事案である。

(警察は、一時停止違反を連続して行う運転手は、
極左暴力集団の活動家であると考えるらしい?
暴走族はみな極左暴力集団の構成員ということか?
普通なら、「言った言わないの水掛け論」に終わるところなのに、
警察は、こんな馬鹿(正直?)な主張をするから、
本件裁判で不利になったのだろう。)

二 争いのない事実

 一審原告は、昭和五九年一一月七日当時、日本共産党員であり、民青同盟八幡〇〇地区委員会副委員長であった。
 福岡県警察折尾警察署警備課警備課長高尾健二警部(以下「高尾」という。)、同課公安係城千賀男巡査部長(以下「城」という。)、同下田雄治巡査部長(以下「下田」という。以上の三人を、以下「高尾ら」という。)は、同日午後一一時二〇分ごろ、普通乗用車に乗車中、福岡県遠賀郡芦屋町大字山鹿三三七番地先路上付近において、折から一審原告が北九州市八幡西区黒崎方面から自宅のある福岡県〇〇郡〇〇町〇〇方面へ向け運転する軽四輪貨物自動車(以下「原告車両」という。)を追い越して停止させ、一審原告に対し、警察手帳を示して、運転免許証の提示を求め、一時停止違反等の事実について簡単な質問をした後、最寄りの警察施設への同行を求め、一審原告を警察車両に同乗させ、同署山鹿駐在所(芦屋町山鹿一六番二六号所在。現在は取り壊されている。以下「山鹿駐在所」という。)前を経て、同日午後一一時五〇分ごろ、同署芦屋派出所(同町緑が丘一四五五番地所在。以下「芦屋派出所」という。)の二階北側の和室に同行した。


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三 争点

1 争点の概要

 本件の主たる争点は、・・・(中略)・・・
実質的な争点は、右の一審原告の主張に沿う原審における一審原告本人尋問の結果(第一、二回)、一審原告の陳述書(甲一)及び一審原告作成のメモ(甲三六の二、以下「本件メモ」という。)並びにこれに関連する原審証人の証言及び陳述書等の信用性である。

2 事実経過について

 本件の事実経過に関する当事者双方の主張は、原判決の「事実及び理由」の「第二 事案の概要」の「三 争点」の欄(原判決七頁八行目から四〇頁末行まで)摘示のとおりであるから、これを引用する(ただし、原判決八頁七行目に「午後一一時四〇分ころ」とあるのを「午後一一時五〇分ころ」と、同一七頁八行目に「約一時間五〇分」とあるのを「約一時間四〇分」と、それぞれ改める。)。

3 一審原告の供述の信用性について

(一審原告)(ここからは一審原告の主張)

(一)一審原告は、芦屋派出所を出た後、すぐに民青同盟福岡県委員会の副委員長である〇〇〇〇(以下「〇〇」という。)に電話をかけて事実を報告し、〇〇の指示によって、日本共産党〇〇地区委員会の副委員長である〇〇〇〇(以下「〇〇」という。)にも電話をかけ、その指示により、帰宅して直ちに事実経過についてのメモを作成した。そして、当日(昭和五九年一一月八日)午前八時ごろには、日本共産党八幡地区〇〇委員会に出向いて、〇〇らに対して、右(上、以下同じ)のメモ(本件メモ)を元にして詳細な説明をなし、さらに、同日正午ごろには、日本共産党〇〇〇〇議員団事務所において、〇〇弁護士らに対して、事件の報告をした。

(二) 本件メモは、右のように、事件直後に作成されたものであり、内容的にも具体的で説得力に富むものであって、信用性の高いものである。

(なるほどねぇ)

(三)さらに、右の日本共産党〇〇〇〇議員団事務所での一審原告の報告の際に、〇〇弁護士はメモを作成している(項一一二、以下「〇〇メモ」という。)が、この〇〇メモは、弁護士の職務の遂行の過程で作成したもので、信用性の高いものである。

(なんか、うさん臭いなぁ)

(四)一審原告の供述内容は、一貫していて筋が通った合理的なものであるし、いずれも具体的で、説得力に富むものであり、実際に体験した者でなければ供述のできないものである。

(へぇー、そんなもんかぁ)

(五)一審原告には、本件のようなパイ強要事件をわざわざ捏造するメリットは全くない。一審原告は、これまで〇〇町で漁師として真面目に漁業に従事するとともに日本共産党員、民青同盟員として熱心に活動をしてきた人物であり、本件事件を公表することは、名誉なことではなく、加えて、本業や本来の活動とは無関係の訴訟活動や支援要請活動を強いられている。

(ほほぅ、なるほど、そのとおりだ)

(六)以上のとおり、一審原告の供述は信用性の高いものである。

(一審被告)(ここからは一審被告(警察)の主張)

(一)一審原告の本件メモについて

 一審原告は、本件メモについて、事件当夜に、まず、順番をメモしながら、内容をまとめた上で、二,三時間で書き上げたものであると述べているが、以下のとおり、事件当夜にメモが作成されたとは考えられない

(この主張は、納得できる部分がなくもない)

(1)本件メモは、総字数四四七〇字であり、通常の成人の単純な筆記速度(読み上げられる文章を筆記する速度)である一分間三〇字筆記したとして、約二時間三〇分を要するものであって、文章の構成・内容を考えながら書く場合には、これよりも筆記速度は低下するから、分量の点からだけでも、一審原告が本件メモを二、三時間で書き上げたとすることは疑わしい

(2)本件メモは、記載内容の重複や乱れはなく、文章自体はきちんとまとめられており、このような内容を二,三時間で書き上げることは、抜群の国語力を要するものである。

(3)本件メモには、多数の漢字の誤りがあり、しかも、その誤り方が一定しない上、旧漢字や旧かなづかいが用いられており、戦前の教育を受けた年輩者が原稿を作成し、その原稿を意味不明のまま模写したことを強く窺わせるものである。

(4)本件メモは、本件訴訟に先立ってなされた告訴及び付審判請求の資料としては提出されず、本件訴訟においても、当初は一審原告の自筆でない陳述書が提出されたのみであり、その提出時期が不自然である。

(二)〇〇メモについて

 〇〇メモについても、以下のとおり、〇〇弁護士の本件訴訟における証言(以下「〇〇証言」という。)及びそのメモの内容自体に照らして、到底信用のできないものである。

(1)〇〇証言は、日本共産党〇〇〇〇議員団事務所における〇〇及び一審原告の説明についての詳細な証言を含むものであるが、〇〇弁護士が、その経過説明を受けたのは、証言時から約一〇年も前のことであり、詳細な記憶があるとは考えられない。

(こんな主張がまかり通るなら、裁判の長期化が常態である限り、
ほとんどの裁判での証言は、信用できないということになる)

(2)〇〇メモと〇〇証言とを対比すると、両者が整合性を欠いている部分が少なくない。

(3)〇〇メモのうち、当初の説明を受けて書かれたと思われる部分には、スパイ強要の点をはじめとして、一審原告が本件で不法行為と主張する事実が出ておらず、不自然である。

(4)〇〇メモも、付審判請求では提出されておらず、本件訴訟においても、一審の結審間際に提出されたものであって、その提出時期も不自然である。

(三)一審原告の供述について

 一審原告の供述は、以下のとおり供述の変遷や、供述自体に不自然、不合理な点があり、高尾らの証言に照らしても、信用のできないものである。

(1)一審原告の供述には、芦屋派出所内に入るまでの間についても、民青同盟八幡〇〇地区委員会事務所を出た時刻、密航監視の話を出した状況、警察官から同行を求められた際のやりとり、後続車両の様子、山鹿駐在所に至るまでの停止要求の有無、芦屋派出所に入るときの状況等について、供述の変遷が見られている。

(2)他方、一審原告と公安調査官副島及び松田との接触状況からすれば、・・・(中略)・・・一審原告は、日本共産党や民青同盟からの調査、処分を受けることなく松田との関係を切るため、高尾らによる一時停止違反の取調べと極左容疑解明のためになした行為を、スパイ強要とすり替えたものである。

(この警察の主張は、一審原告が既に公安スパイであったのだと言っている)

(3)また、一審原告の芦屋派出所内での状況に関する供述についても、芦屋派出所の客観的状況とのそご(齟齬)、一審原告が城を覚えていたとする点、高尾らの脅迫内容、一審原告が大声で助けを求めたとする点、再会の約束の有無等について、不自然、不合理なところがある。

第三 証拠

 証拠は、原審及び当審における書証目録並びに原審における証人等目録に記載のとおりであるから、これを引用する。

第四 争点に対する(裁判所の)判断

一 判断の概要

 当裁判所は、本件事件当日の一連の事実経過についての一審原告の供述は、基本的な部分において一貫しているというべきところこのうち、芦屋派出所に至るまでの一審原告と高尾らとのやり取りの点は、おおむね高尾らの証言とも符合しており、また、芦屋派出所を出た後の一審原告の行動に関する点は、関係証人の証言等によって裏付けられているのであり、問題の芦屋派出所内での出来事に関する点も、殊更に虚偽の事実を述べたものとは考えられず、この点についての高尾らの証言がにわかに信用し難いこと(裁判所も警察官の証言に疑いを持っている)との対比においても、おおむね信用することができるものというべきであって、・・・(中略)・・・高尾らから、交通違反や、公安調査官と接触していることを説得材料としつつ、日本共産党や民青同盟についての警察に対する情報提供者になるよう執ような説得を受けたとの事実を認めることができ(これは、裁判所が公安スパイ強要の事実を認めたということ)、高尾らによる右の説得は、一審原告の身体の自由を束縛し、警備情報の収集の方法として許される範囲を超えた違法な行為として、不法行為にあたるといわなければならず、
・・・(中略)・・・
なお、一審原告の本件メモについては、一審原告が、これを事件当夜に二,三時間で書き上げたとするには合理的な疑いを挟む余地があり、後日作成されたとの疑いを拭いきれないが、そうであるからといって、一審原告の供述が全体的に信用できるとの右判断を覆すに足るものではないと判断する。

二 右判断の理由は、以下に付加、訂正するほかは、原判決の「事実及び理由」の「第三 争点に対する判断」の欄(原判決四一頁以下)に説示のとおりであるから、これを引用する。


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(以下、判決文の19頁〜48頁までは、
原判決の細かな部分を訂正・追加しているもので、
一部重要と思われる文言のみ抜粋します)

(22頁 11行目〜23頁 10行目)
本件メモが、本件事件の当夜に二、三時間で作成されたと認めることができず・・・(中略)・・・ただし、・・・(中略)・・・本件メモの全体が信用できないものとして証拠から排除することはできず、・・・(中略)・・・他の証拠と一致する限りにおいて、証拠としての価値を有する・・・(中略)・・・ひいては、一審原告の供述全体の信用性の裏付けとなり得るものである。

(27頁 12行目〜28頁 5行目)
一審原告の供述は、少なくとも芦屋派出所内で情報提供者になるよう強要されたという基本的な点については一貫しており、・・・(中略)・・・原審における高尾らの証言が信用できないことと対比すれば、・・・(中略)・・・原審における一審原告の供述の信用性を否定することはできないというべきである。

(28頁 10行目〜29頁 8行目)
確かに、一審原告は、原審における本人尋問において、松田の身分について疑問を抱きつつも松田と接触し、・・・(中略)・・・一審原告が松田を公安調査官と知って接触したとの事実を推認する事は困難といわなければならない。

(30頁 10行目〜31頁 13行目)
(3)原判決五九頁七行目から同六〇頁五行目までを次のとおり改める。
「一審被告は、一審原告の供述する高尾らの脅迫は・・・(中略)・・・不自然であるし、スパイ強要のための脅迫にしてはいかにも迫力に欠けた稚拙なものであると主張する。
 しかしながら、前記のとおり、一審原告は松田が公安調査官であることを知っていたとは認められないから、一審原告に対して松田が公安調査官であることを告知するだけでも、十分に一審原告を驚かせ、困惑させるものであると認められ・・・(中略)・・・右以外にも、一審原告に対して「直方の〇〇D(※注)のようになるぞ。」「〇〇に住めなくなる。」などとも言いつつ、他方で利益供与の申し出もしているのであって、このような行為を全体としてみた場合に、それが不自然で迫力を欠いているということはできない。」

(裁判所も警察の脅迫を認めた)

(※注)「直方の〇〇D」事件
昭和58年1月に、直方市会議員であった〇〇Dを公安調査庁のスパイとして、日本共産党が除名した事件

(38頁 1行目〜39頁 3行目)
(四)原判決七一頁六行目の次に、改行の上、次のとおり加える。
「(四)なお、高尾らは、原審において、一審原告とは初対面であることを前提とする証言をしている。しかしながら、昭和五九年当時、警備警察の任務である警備情報活動における情報収集の主な対象の一つとして日本共産党が上げられていたこと・・・(中略)・・・高尾らは折尾警察署警備課に所属する警察官であり、特に高尾は警備課長であったこと(争いがない。)などからすると、高尾らは、その職務上、日本共産党及び民青同盟についての情報を収集していたものと推認することができ(原審証人高尾の証言中には、日本共産党に対する情報収集活動を否定する部分があるが、右各証拠に照らして信用できない。)、・・・(中略)・・・前記高尾らの各証言は、不自然といわなければならない。」

(裁判所も警察は嘘つきだと認めた)


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(41頁 3行目〜47頁 5行目)
(二)原判決七六頁末行の冒頭から同八二頁末行の末尾までを次のとおり改める。
「2 折尾警察署警備課に所属していた高尾らは、かねてから日本共産党員であり、民青同盟員でもあった一審原告が、公安調査官と接触していた事実をつかんでいたことから、そのことを一つの説得材料に用いて、一審原告を警察に対する日本共産党や民青同盟に関する情報の提供者となるよう説得することを企図し、・・・(中略)・・・一審原告に対し、一時停止違反等をしているが切符がないなどと言って、あたかも道路交通法違反の被疑事実の取調べのためであるかのように装って、最寄の警察施設までの同行を求めた。・・・(中略)・・・高尾及び城は、一審原告に対し、一時停止違反の事実を告げたものの、詳細な取調べは行わず、自分達が左翼対策の警察官であることを明かし、・・・(中略)・・・一審原告に不利益が生じる旨の告知をなし、警察に対して日本共産党や民青同盟に関する情報を提供するよう要求した。
 これに対して、一審原告は、右の申し出を断っていたが、高尾らは、一審原告が拒否することは不利益であると述べ、協力すれば、報酬等の便宜をはかることも申し出て、説得を続けた。・・・(中略)・・・高尾らは、その場での一審原告に対する説得をあきらめて、もう一度会ってもらいたいと申し入れたところ、一審原告は、・・・(中略)・・・会うと言ったので、一審原告に対する説得をうち切った。その際、城は、一審原告に対し、五万円程度の現金を手渡そうとした(えっ? 私はこんな大金もらったことがない)が、一審原告は、受け取らず、その後しばらくして、芦屋派出所を出た。
3 以上のとおりであって、既に説示したとおり、原告車両を停止させた位置やその後の高尾らの行動からすれば、高尾らにおいて真に一審原告の一時停止違反を検挙する意志があったとはいい難く、・・・(中略)・・・一審原告の陳述書(甲一)、本件メモ(甲三六の二)、〇〇メモ(甲一一二)等により、右のとおりの事実を認めることが相当である。・・・(中略)・・・高尾らは、右の一時停止違反を口実にして、一審原告に対する前記のような説得を行ったというべきものであるから、一時停止違反の取調べが行われたことは、前記認定を左右するものではない。」

全体像を把握したので戻る   全体像を把握する(終)


第五 結論

 以上によれば、一審被告に対して、慰謝料三〇万円と弁護士費用一〇万円の支払いを命じた原判決は相当であって、本件各控訴はいずれも理由がないから、これを棄却することとする。

福岡高等裁判所第一民事部

裁判長裁判官 友 納 治 夫

裁判官 有 吉 一 郎

裁判官 松 本 清 隆


 この判決文を当サイトで公開した理由は、私の様な公安スパイの存在そのものを否定する方が多くおられ、また、そのことを理由として、当サイトで公開している客観的証拠すらも検証することもなく、ただ感情的に信じられないとする方が多くおられるからです。

 この判決が意味するところは、一般市民
(一審原告が、警察職員でない事だけは否定のしようがありません)
に対し、警察の公安スパイ強要・脅迫の事実を裁判所が認め、被告福岡県(警察)にその慰謝料の支払いを命じたことにあります。

 つまり、社会の現状に疑問を持っている、当裁判の原告の様な革新的人間は、このように裁判で争い、勝利をも得ることができ、私のような、お馬鹿な保守的人間(当時の私は、まがりなりにも自民党員でした)は、警察から求められれば、それを強要とは受け取らず、公安スパイに仕立て上げられてしまうということです。

 この裁判で提示された証拠は、原告本人のメモや、一連の供述だけであり、にも拘わらず、裁判所がこのような判断を下した事は、画期的ではないでしょうか。
 それもこれも、警察が、公安調査官副島や松田の名前を口に出すなど、お馬鹿な証言をした事と、共産党・民青同盟というバックアップがあったからに他なりません。
 さらに付け加えるならば、高尾健二・城千賀男・下田雄治という3名の公安刑事が、偽名ではなかった為、のこのこ裁判の証言台などに立つ羽目になったからでしょう。

 いずれにせよ、提訴から十年かかって、原告が勝ち得たものは、わずか30万円の慰謝料とは情けない話ではありませんか。

私見:
 私に対し、公安刑事大山が言った「爆弾闘争をも辞さない極左」には、日本共産党は当然含まれておらず、私が情報収集を行った団体の中にも、日本共産党はありませんでした。しかし、警備情報活動における情報収集の主な対象の一つとして日本共産党が上げられていたことは、公安刑事山下こと北本の口からも聞いていましたので、当判決文中にも同様の文言があったことに、思わず納得してしまうというか、とにかく複雑な思いです。


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